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インジェクションからキャブレター仕様に変更後、調子が悪く、白煙を吐くので思い切ってオーバーホールをする事になった。
これが、長いトンネルへの入口になるとは・・・
シリンダーヘッド、シリンダーを脱着したところ、ピストン、シリンダーヘッドに大量のカーボンが付着!
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走行距離が不明の為、何万キロ走ってこの様な状態になったかはわかりません。
オイル下がり、オイル上がりが酷かったのでしょう。 |
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分解前に後輪軸出力を計測したら48psでした!
これじゃ、しょうがないな。
24年間、良くがんばってくれたわ。 |
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カーボン落としで試行錯誤していたら工具屋さんで「メタルクリーン」というアルカリ性の洗剤を発見!早速、水道水とブレンドしながら使ってみると、なかなか落ちません。
そんな時にSOUL氏からこのやりかたを伝授。カセットコンロで暖めながら数時間やると・・・次へ |
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・・・この様になりました。
ここまでの道のりはいろいろありましたよ。
カーボン落としで苦労しましたからね。それが今では財産になりましたよ・・・。 |
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エンジンOHするついでにサンドブラストキャビネットを購入。最近はあまり稼働していませんね。業者に出した方がお得かな?でも、ここまで来ると全部自分で成し遂げてみたくなりますね。 |
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キャビネット内のシリンダーヘッド。
キャビネットから漏れて来る粉塵と格闘すること何十時間?こうなりました。
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「モトメンテナンス」誌がタイムリーな企画でエンジンペイントというのをやっていました。それを参考にして、塗装前に予熱をすると塗料ののりが良くなります。
塗料は「デイトナ」製の耐熱ブラックを使用。塗装後に高温で焼き付けます。 |
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塗装が仕上がったらシリンダーヘッドの各部の計測。写真はバルブガイドの内径を計測している所。
これ以外にも、ヘッドの歪み、バルブステムの外径等を整備マニュアルの規定値を参考にして、今後のパーツの再利用を考える。
ちなみに、今回は規定値内だったのでそのまま再利用することになりました。 |
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そして、カーボンが落とされたピストンをコンロッドに組み込みました。
ピストンリングは新品のスタンダードを使用しています。
ガスケットはゼファー750のメタル製のを使用。昔のGPで使われていたガスケットは剥がすのに苦労しましたが、メタル製は張り付かなくて剥がすのが簡単です。 |
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シリンダーを組みこみました。これが一番の難しい作業ではないでしょうか?
市販のピストンリングコンプレッサーを使いましたがどれも駄目でしたね。結局、1、4番ピストンを上死点にしてから、ピストンリングを手とマイナスドライバーで圧縮させてやりました。この作業は馴れですね。 |
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オイルラインピン。
右がゼファー750、左がZ750GP用。 |
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オークションで落札したゼファー750シリンダーのオイルラインピンをGPに組み込みました。今のところ問題は発生していません。
こういう細かい所にも改良が加えられていますね。 |
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4輪のエンジン整備本を読んでいたら、こういうふうにパーツを分けると良いと書かれていました。 |
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シリンダーヘッドを載せる前にバルブ擦り合わせをしました。コンパウンドをあたり面に塗り、ひたすら数時間叩きつけます。新品のバルブだと1気筒仕上げるのに2時間ぐらいかかりましたね。そして、最後はスキッシュエリアに灯油を垂らしてみて漏れなければ完了となります。
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行きつけの工具屋さんでこういう特殊工具を発見!
バルブステムシールをガイドから抜くための工具ですね。
SHOさんから教えてもらいましたが、バルブステムシールを挿入するときはコツがあるそうです。リップにオイル等を塗っておいてスベリを良くしておき、バルブステムを通すとリップが傷がつかずに済むそうです。
傷が付くとそこからオイル下がりになるみたいですよ。 |
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100エンショップでピックアップツールを購入。
クランクケースに落としたカムチェーンを拾い上げるのに使っています。
これを使う様になってからカムチェーンを吊り上げておく事はなくなりました。だって簡単なんだもん。 |
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余談ですが参考のためにアドバイス。
GPのパルシングローターには「 T 」マークが2カ所刻印されています。
1・4番上死点、2・3番上死点。これからエンジンを組む予定の方は気をつけてください。
1・4番上死点の「 T 」マークが基準です。
わかっている人には余計なお世話ですがね。 |
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シリンダーヘッド搭載。
まじめにトルクレンチを使用して組みました。
詳細は整備マニュアルを読んで下さい。 |
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バルブクリアランスの測定。
シクネスゲージを使ってクリアランスを測定してから、シムの厚さをマイクロメーターで計りました。新品のシムには厚さが書込まれていますが、何十年も使っていると消えています。 |
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もうすぐ完成。
カムチェーンテンショナーを組んでからヘッドカバーボルトを締めて完成となります。テンショナーを組む時もコツがありますね。構造を良く理解してから施行した方が良いですよ。私はこれで痛い目に会いましたからね。 |
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ついに完成です。
いや〜、ここまでたどり着くのは長かった。
この記事を読むとたった1回で終わった様に思いますが、実際は10回以上、エンジンの脱着を繰り返しています。現在は、GPZ750Fのエンジンを載せていて、キャブは当初ミクニBS34でしたが、CR Specialに変更されました。
2008年、新たに生まれ変わったマシンで北海道をめざします。
最後に、エンジンOHをするあなたへ、エールを送ります。 |